記憶の陰にポツリと座り　淋しげに
白い指先　ピアノを弾く女(ひと)
「ショパンが好きよ　悲しい調べ奏でれば
恋の出来ない私に似合い」といった女

どんな過去が君を変えてしまったの
瞳の翳りが　せつな過ぎるよ

言い出せない愛は　海鳴りに似ている
遠くから絶え間なく寄せ　胸を強く揺さぶる

ピアノの音はどこか冷たく　あの女は
壁にかかったモナリザのように
子供のような僕のことなど見もせずに
真珠のように　かたく心を閉ざしてる

かけがえのないもの　なくしたあとは
どんなに似たものも　かわれはしない

窓越しに見ていた　黒髪にまかれて
目覚める夢を見たよ　君に届けこの歌

言い出せない愛は　海鳴りに似ている
遠くから絶え間なく寄せ　胸を強く揺さぶる

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